地方に医者を配置する新たなビジネス

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医師不足の原因

日本は医師不足であると言われています。
日本の医師の数は外国に比べて少なく過酷な労働条件を突きつけられている医師も多くいます。
また、OECD(経済協力開発機構)のまとめた国民1000人あたりの医師数のデータでは日本はOECD諸国の中でも平均以下の数です。

この医師の数の少なさに対して、国も対策を採り始めています。
2009年から医学部の定員は増員されており、志願者も増加傾向にあります。
そして、国家試験の合格者数も90パーセントを維持するよう調整がなされているのです。

医師不足は数の不足だけでなく、分布の偏りが問題視されています。
大都市では医師の充足傾向があるのに対して地方では医師が不足しており、地域による医師の偏りが出ているのです。
こちらのサイトでも詳しく説明しています。
子育ての医学情報 | 「小学館 おやこページ DAKKO」

同様に、診療科の分布にも偏りがあります。
産婦人科や小児科の医師不足が一昔前に取り上げられていますが、外科医も不足傾向にあり深刻な問題です。
この2つの問題が重なっていることで、地方の産婦人科は医師不足が深刻になっている傾向にあります。

地方の医師不足を解消する仕組み

地方での医師不足に対応するために、世の中では様々な対策がとられています。
医学部入試では地域枠を設定して医学部のある都道府県内の出身者を対象とした推薦入試を実施したり、その地域での勤務を条件とした奨学金の給付を行って地方に残る医師の確保に努めているのです。
また、最近では地方でも専門的な研修が受けられるようにシステムを組んだり地域医療を担う意欲を高めるような教育も行われています。

他にも僻地医局という地方の病院や診療所に特化した医師採用会社が出てきます。
もともとは医師の人材紹介会社として立ち上がったものであったのを地方の医師確保を本格的に行うものへとシフトチェンがされました。
一般的な人材紹介会社と同じような仕組みで、エントリーする人は勤務希望地や希望する仕事内容、現在の勤務予定、といったものを登録します。

中には地方への就職ではなく、1日や数日間といった期間限定での僻地医療への参加を考える人もおり、そのような人へも積極的に仕事を依頼しています。
そうすることで医師が不足している用意や時間帯を充足することもできますし、実際に体験したことで将来的に常勤赴任することもあるのです。
医師としてもメリットがありますし、人材不足の地域にもメリットがあるために新しいビジネスモデルとしてこれからさらに注目を集めていくことが考えられています。